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除夜釜朗読会

皆様

明けましておめでとうございます。

どのような新年をお迎えでしょうか。

 

さて、年末のことになりますが、12月28日、高田馬場にある

茶道会館にて、裏千家の「除夜釜」茶事が行われました。

こちらの会では、37年の長きにわたり、幸田弘子先生が樋口一葉の「大つごもり」を朗読されてきました。毎年それを楽しみにされているお客様も多かったのですが、先生の突然のご逝去により叶わなくなったことから、今回は私共弟子やお教室の生徒さんが 先生を偲んで朗読させていただく形となりました。

 

午後5時から朗読開始。

まずは川端凉子さんが、樋口一葉「たけくらべ」などを。

次いで鈴木英子さんが、幸田先生の親友だった吉原幸子氏の詩を何篇か。その後、中村が太宰治「津軽」より、最後の場面を抜粋で朗読しました。

さらに、姉弟子の鈴木千秋さん中里貴子さんが、鼓の今井尋也氏の演奏とともに、「大つごもり」を朗読されました。

 

先生のお写真を舞台下手にそっと置かせていただき、先生に見守っていただきながらの朗読でした。。。

お客様も 例年よりは少なかったとはいえ、何十名いらっしゃったでしょうか。熱心に耳を傾けてくださり、このご時世に本当に有難いことでした。

 

会場は大広間だったのですが、やはり感染防止対策として、演者はフェイスシールドなどを装着しなくてはなりませんでした。これが思いのほか声を遮断してしまい、ましてソーシャルディスタンスとやらでお客様との距離が相当離れていたものですから、マイクなしで声をお届けするのにかなりの労力を要しました^^;。

私の時などは、最初の方よりもかなり前に出た形で朗読したのですが、それでやっと聞こえた?ような感じでした。つくづく、このコロナ禍にあっての朗読の難しさを痛感した次第です。

さて、今回の和服ですが・・・

まず、お茶事の会であるということで、あまりカジュアルなものや

あまり華やかなものは控えようと思いました。

そして、会場は古い日本家屋で照明も控えめなので、暗い色味よりも少し明るい色合いのものが良いかしら・・・などと考え、藤色の色無地(蝋たたき)を選びました。もっとも 色無地は2枚しか持っていないので。選ぶも何もないのですが^^;。。

 

「津軽」は、もう大好きな作品で、昨年のコロナ禍にあっても、2回は上演しており、除夜釜で3回目でした。

幸田先生もこの台本を気に入ってくださり、この台本を使われてどこかで朗読されたとお聞きしました。天国でどのようにお聴きくださったでしょうか・・・。ダメ出しをいただきたかったなぁと思った師走の夜でした。合掌