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桜桃忌朗読会

6月19日。梅雨の中休みとなったこの日、神保町ブックハウスカフェさんで、「中村雅子の太宰語り vol5」が行われました。

 

今回は、太宰の子守をしていた「たけさん」にスポットを当て、たけさんのご親戚にあたる水谷薫さん(こぎん刺し作家)をゲストにお迎えしたトークコーナーや、たけさんのことを回想で綴った美知子夫人の文章の紹介、そして最後に「津軽」より、たけさんと太宰の再会場面の朗読と、流れを考えて構成しました。

美知子夫人の書いた「回想の太宰治」には、何と水谷薫さんの曾お祖父さまも登場していて!、本当に太宰や津島家と近しい関係だったことがわかります。

お客様も身を乗り出すようにしてお聴きくださっていました。

薫さんのお衣装にあしらわれたこぎん刺しもご自分で刺したもの。

こぎん刺し作家としての活動もお話しくださいました。

トークの途中では、山下さち子さんと薫さんのコラボによる「たけさん人形」も「太宰くん人形」とともに登場!完成したばかりのたけさん人形が注目を集めました。

 

演奏は、今回も篠笛の森田万里子さんにお願いしました。

彼女とはもう何度もご一緒していただいているので、すっかり息が合うようになりました^^。

私の希望をすぐに察してくださり、語りやすいように工夫してくださるのです。それも絶妙な楽曲で・・・・!本当に有難い存在です。

彼女の軽妙なトークとソロのコーナーも大好評でした♪

 

さて。朗読ですが・・・。

 

 

 

メイン作品の「津軽」は、これまで何度も朗読している作品ですが、

今回はたけさん人形や、たけさんのお身内が傍にいらっしゃるせいか、格別の想いがこもりました・・・。

たけさんを、恐らく「心の母」のように思っていた太宰の心情が自分に乗り移ったような感覚になり、自然と涙が溢れそうになる場面も・・・。そうなると、それがお客様にも伝わるのでしょうか、涙を抑える方がこちらからも見えるのです。

万里子さんの篠笛の哀愁感漂う音色がいっそう雰囲気を高め、

これまでにない「津軽」になったような気がいたしました。

 

午前・午後とも会場は満席のお客様。本当に有難くて感謝の気持ちでいっぱいでした。また、当日色々と支えてくれたスタッフの皆さん、会場の今本社長、応援してくださった皆様に心からの感謝を述べたいと思います。誠にありがとうございました!